この世のwannaからmeを守る

この世の罠から身を守る方法を考えていきます。

ニンゲン 46

『なにをする気なの?』
『こいつを物理的に壊すしかないだろ』
彼は格好つけるわけでもなく、自然と人差し指でそれをトントンと叩く。
『そんなの絶対無理だよ…』
『いや、これがアイツの言ってた最期の手段なんだ。もうそれしかない、とにかく早くやらないと』
『でも…』
ただ見ているだけの彼女を、気にしないふりをして、彼は急かしく荷物をまとめ始める。
降り続く雨がやんだくらいに彼は一息ついた。
『だいたいのモノは手の届くところに置いたから、あとは帰ってくるだけだ 。先のことなんて、予想もつかないけど、天気もよくなりそうだし、うまくいくよ』
彼は微笑みながら言った。少しの沈黙のあと、彼女は言う。
『ちょっと…いいかな?』
『何?』
『またそうやって、誤魔化してるけど…。帰ってくる…よね?アイツだって結局生きてないよ!もう会うこともないんだよ?』
彼女は、この先彼がどうなるか、悟ったように、詰め寄った。